兄(英一郎さん)の関係(原因)で、縁談があっても全部消えた。(娘は)それで絶望して自殺しました。
12日の裁判には、発達障害だった英一郎さんの主治医も出廷した。
英一郎さんの主治医:
熊沢被告は息子の面倒を大変よく見ていました。主治医の私に連絡をくれれば良かったと思います。そこで可能性を検討して、しかるべく対処法をお知らせできたと思います。
被害者の熊沢英一郎は自閉症スペクトラム障害であったが、主治医がいたのは裁判で初めて知ったことである。
主治医は父親の熊沢英昭が事情を隠していたので、対処ができなかったという主張を行っている。犯罪を行うと知って精神科医に何ができるのかはよくわからない。というか、実際、この主治医は何をするつもりだったのだろう。
閉鎖病棟にぶち込むのだろうか。そのような対処をして大ごとになったのが、2000年の西鉄バスジャック事件である。
この主治医は 成人の自閉症スペクトラム障害の治療法をそもそも知っているのだろうか。
それよりも問題なのは日々の診療内容である。易怒性であったり、感覚過敏であったりといった症状は父親が黙っていたとしても、本人から話を聞いたり、観察をしていればわかるはずであるが、その種の治療を行った形跡がみられない。
知ってれば対処できたというのは、自身の免責を計っている言動のようにしか聞こえない。
医師本人の言葉がないと実際の所はわからないが、報道を読む限りは適切な医療行為ができていなので、医師としての資質が欠けていると言わざるを得ない。
末尾で加藤綾子アナウンサーが「ネットで「発達障害 相談」と検索すると、すぐに国立の相談窓口も出てきます。まず、気軽に利用していいんだという気持ちを持つことも重要」と述べているが、熊沢親子は医療機関につながっていていた。専門知識のある医師は、当然、自閉症スペクトラム障害の対応ができる機関の情報も把握しておく必要があり、相談を患者に促すのも仕事の一つである。医療機関につながっていてもこの程度の対応しかしてもらえないのか、という感想とともに、つくづく残念な主治医である。
結局、親が相談機関を見つけろというのは、親がすべての責任を取れと言っていのに近く、このような社会では、熊沢英昭が息子を殺害せざるをえないと思い詰めても致し方ないと思わざるを得ない。