長年、少年鑑別所に勤務していた犯罪心理学者・出口保行氏
捜査関係者によると、少年は「人を殺す動画で刺激を受け、無理心中するところを撮影しようと思ったが女性に断られけんかになった」と供述しているという。暴力的な描写がある動画・漫画などは、犯罪にどのような影響を与えるのだろうか。出口氏は「動機の形成と実行は無関係だ」と話す。「もちろん何かに興味を持って『やってみたい』と思うところまでは、誰でも持つ可能性がある。ところが、私たちはその先に待っているリスクとコストの2つを考える。リスクは実行後に検挙されるリスクの大きさ。コストは実行者が自分だと、周りが知ることで失ってしまうものの大きさだ。このリスクとコストが両方高い状況であれば、例えばどんな動機が形成されても、実行に踏み込むことはない。映画やドラマなどで影響を受ける、動機の形成まではある程度影響がある。だが、それらと実行に関しては無関係であると私は考えている」