「岡庭容疑者が『別件』で逮捕されたことは、早い段階からマスコミに漏れていました。一部の週刊誌も昨年末の段階で、境町の事件との関連を匂わせる記事をネットで配信していましたし、いわば『オープンリーチ』の状態。マスコミ各社も逮捕に向けて原稿を準備する中で、当然、前科についても把握していたでしょうね」と捜査関係者は解説する。
つまり、今回の茨城一家殺傷事件では、新聞やテレビは事前に取材する期間が数ヵ月あり、茨城県警が岡庭容疑者を殺人容疑で逮捕した5月7日に至るまでに、彼が過去に犯した連続少女通り魔事件について触れるか否かに関して、十分に議論できたことが推測される。
扱いがもっとも大きかったのが朝日新聞だ。
岡庭容疑者が2011年に少女2人に対する殺人未遂事件を起こし、医療少年院に送致されたという記述は読売新聞と同様だった。
しかしそれに加え、記事中で<過去の同種事件から容疑者浮上>と見出しを取り、少女らへの殺人未遂事件の裁判員裁判で、岡庭容疑者が、<『今のままでは、また(同様の事件を)やっちゃうと思う』と話した>と書いたうえで、<捜査関係者によると、茨城県警が過去に同種の事件に関与した人物を調べる中で(岡庭容疑者が)浮上した>と、11年の少女らへの殺人未遂事件と、今回の境町での一家殺傷事件を結びつけ報じている。