No.1-3/5
「朗読」
さて、余談はさておいて、詩に戻ろう。この詩は視覚的な詩でもある。
全部ひらがなで、一行が9個のひらがなでできている。子どもたちはこの詩の形そのものが菜の花畑であり、「いちめんのなのはな」なのだと見つけるだろう。その中に「はるかなるむぎぶえ」という言葉が入っている。一面の黄色い菜の花畑のどこかから、麦笛が聞こえるのだ。色があざやかなのだ。麦は深い緑色である。
ここではこまかい詩の追求はおいておいて、朗読の話をしよう。
この詩は朗読にとてもいい。一人ずつが一つ一つの菜の花を教室に咲かせているように読んでいく。私は、「はるかなるむぎぶえ」の後の「いちめんのなのはな」は全員で読むようにしている。