パッション6/10

井出先生との出会いから
親子で『88星座なぞなぞカルタ』

【編集室からひとこと】


豊田由美子さんは、今、3人の小学生のお子さんの子育てに頑張っている主婦です。
井出先生との出会いは、5年前、宮崎に住んでいた時、音楽教育の会大阪大会に参加し、井出先生のマールベリジャムづくりの苦心談を聞いたのがさっかけとか。(このエピソードは『イーハトーポ小学校の春』140ページに出てさます)以来、娘さんたちを連れて何度も川久保分校を訪ねています。

朝もやの中、娘たちとイーハトーボ農場を訪れました。キィーンと凍った空気の中で、木の楽士たちが森の音楽を奏でている畑がありました。
「史(ふみ)と大(だい)は、この中で卒業式をしたんだよ。真由(まゆ)の卒業式は、宇宙の中でするんだよ。」と井出先生。何ともうらやましく、素晴らしい話です。
井出先生を娘達に直接感じて欲しいと思い、はるばる宮崎から高槻の川久保を訪れたのは、4年も前のことになります。先生のピアノで歌い、寒天を作り、炭炊きをし流氷のかき氷を食べ、とても素敵な時間と空間を与えて頂きました。「雪が降るといいですね」と話していたらタイミング良く、どっさりと雪が降り、天までが味方してくれました。土筆(つくし)や桜の砂糖菓子を作り、絵を書き、俳句を詠む。目に見えない動きだけど、植物の目まぐるしい成長や変化に驚きながら、娘達と過ごす時間はとても豊かな気持ちに満たされます。
幸せに育っと言うこと、生きるということを、しみじみ実感したのでした。
川久保の分教場の教室の天井いっぱいに描かれた<光る星空>(『イーハトーボ小学校の春』98−100ページの「星空を歩く」参照)を見ての感動が「88星座なぞなぞカルタ」作りにつながり、娘達と星空の勉強に楽しく取り組むことが出来ました。それぞれ88枚の絵札(星座の形)と読み札(星座にちなむなぞ)を、天文図鑑や星座の本を調べながらまとめるのです。
読み札のなぞなぞは、あゆみ(小学6年生)とさやか(小学4年生)と絵梨奈(小学1年生)の娘達3人が加わって作り上げました。
(1)星すくい こぼれたしずく 天の川(あゆみ)
(2)アルカスの 素敵な獲物 お母さん(さやか)
(3)燃えながら 鯨飛び込む 空のうみ(絵梨奈)
(ちなみに、それぞれの答えは、(1)は「星をすくうひしゃく=北斗七星のある大熊座。(2)は「アルカスは小熊の名前。(3)は宮沢賢治の童話「双子の星」に出てくる空のくじら=彗星)。
それぞれの己(こ)の世界をひらいていく子どもたちの手助けをするには、親もまた、強い意志と優しい心でともに歩いていくために、自分の世界を築くエネルギーが必要です。
高槻の山あいの土や空気や音や光が運んでくれた神様の贈りものとも言うべき(豊かさ)は、井出先生と出会うことによってエネルギーとなり、それを確かに私は受け取ったと感じています。