パッション7/10

イーハトーボスクールがめざすのは

思いきり楽しく、歌い、踊り、演じる。
わくわくする観察や工作、料理のひととき
を親も子どもも一緒に過ごす場です。


『イーハトーポ小学絞の春』を読んだ子育て中のお母さんたちから、様々な反響がありました。多かったのは「イーハトーポ分教場へ転校させたい」という声。わざわざ分教場を訪れた人もあり、不登校の子を持つ親からの切実な相談も相つぎました。
世間では、学校をめぐる深刻な問題が一気に噴き出している真っ只中、「ファンタスティックなアート」としての子育てが、ゆったりと繰りひろげられているイーハトーボ分教場の存在は、まるで夢の別世界のように貴重であると思われるからでしょうか。
こうした親の願いにそって、今年(1998年)6月から「イーハトーボ・スクーール」が開校、当面、月に一回のペースですが、高槻市内をめぐり、楽しさいっぱいに、生き生きと自己表現する実践の場を目指します。
また、先生や保育士たちの力量を高めるために
「教室・保育室の文化を創る会」を井出先生は発足させました。もちろん、親も参加できます。
先生と親が手をたずさえて、子育てと取り組み楽しさと豊かさを創り出していこうという、これは荒廃した現在の教育状況の打開に向けた確かな一歩です。さらにいえば、本来の自由な学校のあり方を、はっきり見すえての新たな挑戦といっても過言ではありません。この大いなるスタートが、さらに力強い歩みとなるように祈っています。  

(取材:菊池晴重)