パッション4/10
畑の教室「イーハトボ農場」

体験学習に力を入れる分校では、山手へ歩いて5、6分のところにある「イーハトーボ農場」も自慢のひとつ。村のお年寄りたちの力を借りて、実現させたものだ。ルーペを取り出して、植物博士や昆虫博士になれる畑の教室!
子どもたちと井出先生は行列になってテクテク歩く。井出先生が「さあ、ギャロップで行こか!」と呼びかけると、5人の子どもたちはそろって跳びはねながら進んでゆく。続いて、蝶になり、トンボになりながら畑に到着。
夏ならいざ知らず、寒さが身に凍みる私に比べて子どもたちの元気なこと!
井出先生と子どもたちは、この畑で無農薬の野菜や穀物を作ってPTAに売っている。耕運機はその収益で買ったもの。「イーハトーボ農場新製品開発会議」では子どもたちから新製品の提案がぞくぞくと出されるそうだ。そんな時の子どもたちの目の輝きが想像できる。「子どもたちの考えたことを実現するのが私の役目」と井出先生。
たとえ暗礁に乗り上げても、ギブアップすることなく考えて、考えて、考え抜いて、子どもたちと一緒になって向かって行く井出先生の熱意と意気込みに感服してしまう。
畑では、枯れ草を燃やしてたき火をした。アルミホイルにくるんだサツマイモは、ほくほくとした「焼きいも」になって出てきた。子どもたちはそれをほおばりながら、山を仰いで「やっほー!」と何回も声をあわせる。これも井出先生の生きた授業の一環なのだ。