No.1-1/5
まずは、小学校2年生126名の子どもたちとの授業の話から始めよう。カークーボー村の分教場からマンションの林立する校区の学校へ私は赴任した。


「菜の花の総合学習」
私は、授業は四季折々の色や匂いが教室にあふれるのがいいと思っている。
春には春の匂いのする授業をどうしてもしたい。山村慕鳥の「風景」の授業から始めた。



「風景」

            山村慕鳥


いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
はるかなるむぎぶえ
いちめんのなのはな



いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
ひばりのおしやべり
いちめんのなのはな



いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
やめるはひるのつき
いちめんのなのはな
詩の授業ではいかに子どもたちがその詩をイメージ化するかを大切にしたい。(どの詩を選ぶのかは、私なりの考えや主張がある。「質と方向」については子どもたちが育っていくのにとても重要なことなのだがこのことは、またの機会にたい)菜の花畑は私の子ども時代には、まだたくさんあった。しかし今では、もうこのような菜の花畑はほとんどの地方で見られなくなっている。
でも、子どもたちは、菜の花をよく知っている。ときには、あの堤防に咲き乱れる菜の花をあぶらなだと思っているのかもしれない。あれはセイヨウカラシナという外来種である。


さて、ここで、「菜の花の総合学習」ができる。
(私の場合、小さな総合学習のユニットをつなぎ合わせて授業をしているうちに大きな総合学習のテーマが生まれてくる。人権や環境を目標にしている、普通に今、行われている総合学習と私の総合学習の方法や形は違う。人権や環境 や国際理解といったテーマは自然とユニットの中に組み込まれていくのが私の方法である。)