イーハトーボ・スクールが
シティライフに紹介されました

青空の下で知識と創造力を身につける
イーハトーボ・スクール





 野菜を作り、蚕を育てる。桑の実のジャムや炭を焼く授業も行う。そんなスクールが高槻にある。「読み書き計算」だけでなく「読み書き計算と創造力」を基礎学力と考える井出良一先生が開講する「イーハトーボ・スクール」がそれだ。「イーハトーボ」とは、先生の敬愛する宮沢腎治が描いた理想郷「イーハトーヴォ」にちなんだもの。
 先生独自のカリキュラムは、磐手小学校の川久保分教場から始まった。全校児童5人という大阪府最後の分教場では、青空の下、畑の中で算数や国語の授業をしたこともあった。「町の小学生にもそんな授業を」の声に応え、6年前、土室小学校へ赴任したのを機に、組子で通うフリースクール「イーハトーボ・スクール」を開講した。小学生に農作業?と聞くと「大根を育てるとします。まず農業と理科の勉強ができ、収穫したらスケッチし図工の授業に。大根の詩や俳句を読めば国語が学べ、料理すると家庭科にもなる」と先生。本物の科学、本物の家庭科がそこにある。土室小学校の授業でもサヌカイトで石器を作り古代人の料理法を体験したり、まが玉作りや拾った石で岩石標本を作るなど様々。ゴッホやルノワールの絵と共に、文豪の言葉が飾られた教室で学ぶ児童達は、国語や算数の学力も目に見えて高まったという。
 そんな先生が目指すのはアメリカのチャーター・スクール。自由な発想で授業を行い、通う学校を親と子が選べる公立学校だ。多くの問題を抱える日本の学校を立て直したいという先生の志は熱い。
 教壇に立って30数年、子供達と一緒に楽しい授業を創ってきた井出先生。知識と共に心の豊かさも身につけた子供達が、それを次の世代に伝えてくれる。「学び」のスローライフとは、これかもしれない。


農場の看板(分教場で)

チャーター・スクールの必要性を伝え、同時にインターネットやメーリングリストで若い先生の育成も手がける井出良一先生。

山の中のイーハトーボ農場。教材として育てた野菜は地域の人達にも販売。学ぶ喜びと生み出す喜びが感じられる授業だ。
一面の葦を鎌を使って刈り、大根を植える。
問い合わせ
イーハトーポ教育研究所所長 井出良一
ihatovmaster@yahoo.co.jp


イーハトーボ・スクールは毎月1回土曜日に開講しています。入会をご希望される方は上記までご連絡ください。また、先生と保育士のための研究会も行っております。先生方のメーリングリストヘのご参加もお待ちしております。