◇新しい公立学校(チャーター・スクール)とは?



 アメリカのミネソタ州で第1校目が誕生して以来、荒廃したアメリカの公立学校を立て直したのです。クリントン大統領は2000校以上のチャーター・スクールを作りました。共和党も民主党もさらに3000校をめざして開校していく方向です。チャーター・スクールとは、従来の学校を規制している法律に束縛されないで、市民と教師によって希望する学校を創れるシステムです。生徒一人当たりアメリカでは40万円が至急されています。(日本では小学生一人当たり70万円かかっている)
 今、日本の公立学校は、「学級崩壊」「不登校」「いじめ」の問題をかかえ、あらゆる方面からの束縛によって自由で創造的な授業ができにくい状況にあります。そういう状態を改革するには、教育システムを変える必要があります。チャーター・スクールは、市民、親とともに学校を運営して、克服していけるのです。
今の公立学校には、学校間でゆるやかな競争がありません。成果を上げても上げなくても教職員は同じ報酬で、結果責任もありません。チャーター・スクールは3年ごとに結果責任を問われます。結果責任が果たせないと、認可が取り消されます。また、親と子が学校を選ぶことにより、教育を受ける側にも自己責任が生まれます。
 また、最近、私学志望が増える中、裕福でない家庭の生徒も公立学校で十分な教育を受けることがチャーター・スクールの開校で可能になると思います。 私は、公立学校の現場で30数年、自由で創造的な授業を願い、悪戦苦闘してきました。自分の意思を貫き通そうと力をつくしてきました。そんな私がアメリカのチャーター・スクールを知ったとき、心が躍りました。また、目からうろこが落ちる思いがしました。学校を創造的に自由に運営するには、私立学校でしかできないと思っておりました。それには、財力がいると思っておりました。でも、公立として学校を自由に運営できる学校が、もうすでにアメリカでは2000校できていたのです。ぜひ、日本にもチャーター・スクールを創りたいと思いました。


◇井出メソッドによるチャーター・スクールとは?


 好奇心豊な子どもを育てるのが井出メソッド。感性をみがき、創造力豊かな子どもを育てたい。読み書き計算か創造力かではなく、創造力も読み書き計算もしっかりと身につける学校でありたい。文学を読み、詩や俳句を朗読し、しっかりと漢字をおぼえ、計算はより速く、また、数学的発想や科学的発想、社会的な発想を豊かに育てたい。運動も歌も絵も豊かに学ばせたい。好奇心こそがその源であると思う。楽しさのあふれる学校こそが、子どもの能力をのばすのだ。