社会的機能尺度は個人の社会参加、生活機能レベルを簡便に計測するために作成された尺度です。対象は社会的機能レベルが低下している者に実施します。人は身体障害(疾患)、精神障害(疾患)をはじめさまざまなことが原因となって、社会的機能レベルが低下することがあります。
本尺度が算出するのは、SOFAS(Social and Occupational Functioning Assessment Scale)スコアと呼ばれるものです。SOFASは個人の社会的機能レベル・社会参加の度合いを1〜100までの数値で表現した尺度で、100が最も機能が高く、1が最も機能が低下している状態と定義されます。本ツールでは21〜80の間の評価が可能です。
SOFASの目安としては、学校に通ったり、会社に勤めている人の多くは80以上のスコアとなり、ひきこもりや連続欠席の不登校は50未満のスコアだと評価されます。また、20以下のスコアは生命の危険があると判断されます。
評価するのは機能レベルであり、身体疾患や精神疾患の評価を行うものではありません。精神障害・精神障害・神経障害といった障害・疾患単位ではなく、横断的に評価を行うことできます。
また、本人の心理的な変化も測定しません。例えば、働く意欲が湧いたということがあっても、本人の客観的な「行動」に変化が無ければ機能レベルは変化しません。採点者は心理的要因を除いて評価してください。
対象年齢は6歳から40歳までの範囲です。
この尺度の元になっているのはDSM-IVで使用されているSOFAS を標準化した評価尺度PSP(Personal and Social Performance Scale) である。本邦においては、PSPの半構造化面接版であるSIG-PSP が存在している。PSPおよびSIG-PSPとの大きな差異は項目が定型の質問文となっており、臨床評価技術必要としない形へと変化させている点である。また、PSPおよび、SIG-PSPは主な対象を統合失調症であるとしているのに対して、SFS-AYは一般人口を主な対象としている。SFS-AYによる測定を想定している精神障害はうつ病、不安障害といった非精神病性障害である。